情報提供: ディスカバーたいはく4号
 所在地: 仙台市太白区門前町8−22
 連絡先: 太白区まちづくり推進協議会
 関連ホームページ: http://www.city.sendai.jp/taihaku/mati/discover/index.html

255 薬師瑠璃光如来(穴薬師)

薬師如来奉安瑠璃光殿(福聚院)
薬師如来奉安瑠璃光殿(福聚院)

薬師瑠璃光如来(やくしるりこうにょらい)(穴薬師)
 もと両足山大年寺の首席少林院の薬師堂にまつられていたが、明治にはいって堂字が頽廃したため、大正六年、南谷山福聚院(なんこくさんふくじゅいん)に移され、お堂が建てられた。
 この「穴薬師さま」は、今も耳や鼻や目に悩む人、特に女性の信仰を多く集めている。

穴薬師さま
 根岸には、ふるくから、ひとびとに「穴薬師さま」と慕われている薬師像がある。
 むかし、大年寺の馬坂で、ひとりの馬にのった武士が薬師さまのお堂の前を通り過ぎようとしたとき、とつぜん馬があばれだし、武士はいきおいよく振りおとされてしまった。
 そのようすを見ていた村人たちは、きっと、薬師さまの罰があたったにちがいないといいあった。それが武士にも聞こえ、武士は痛いやら恥をかかされたやらですっかり怒ってしまい、薬師さまをお堂から取りだし、大木の根元に穴をほってうめてしまった。
 足をひきずりながら武士が立ち去ると、さっそく、村人たちは薬師さまを穴からほりだし、お堂に安置し、そのおだやかな顔にみんなで手を合わせた。
 それからというもの、この薬師さまは「穴薬師さま」とよばれるようになり、ますます霊験あらたかになったそうだ。

   


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