情報提供: ディスカバーたいはく4号 | ![]() |
所在地: 仙台市太白区茂庭 | |
連絡先: 太白区まちづくり推進協議会 | 電話: 022-247-1111 |
関連ホームページ: http://www.city.sendai.jp/taihaku/mati/discover/index.html |
234 お婆さんの敵討ち |
むかし、ある村におじいさんとおばあさんがいた。ふたりは、畑の仕事をしながらたいそう仲良く暮らしていた。 そんなある日、おじいさんは裏山にすむ古狸に悪さをされ、大けががもとで死んでしまった。おばあさんの嘆きは大きく、毎日毎日かなしみにくれながら、何とか古狸をつかまえて、おじいさんの敵討ちをしたいと思っていた。 ある晩、古狸はおじいさんが死んだとも知らず、しょうこりもなく、おじいさんそっくりに化け 「おばあさんや、今帰ったよ」 とやってきた。おばあさんは、いつもの調子で 「おじいさんおじいさん、お疲れになったでしょう。さあさ、はやく休みましょう」 とむしろの布団をしいた。 狸が横になったところを、クルクルッとむしろ巻きにし、縄で動けないようにしばり、そばにあったほうきで 「死んだおじいさんの敵―」 と何回もこらしめてやった。すると、 「悪かった、ほんとうに悪かった。もう、絶対に悪さはしませんから、かんべんして―」 涙をながしながらたのむ狸を見て、おばあさんもかわいそうになり、縄をといて放してやった。 「狸をこらしめたからって、おじいさんが帰ってくるわけじゃない。もうだれにも悪さするんじゃないぞ」 と、逃げる狸のうしろ姿をみつめながら、おばあさんはつぷやいた。 そんなことがあってからというもの、よくおばあさんの家の土間には栗やきのこ、山菜などがおかれていたそうな。 |
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