情報提供: ディスカバーたいはく3号
 所在地: 仙台市太白区茂庭
 連絡先: 太白区まちづくり推進協議会
 関連ホームページ: http://www.city.sendai.jp/taihaku/mati/discover/index.html

214 太白山の大男

 昔、太白山に大男が住んでいた。いつも山のてっぺんにある敷石という大きな岩にどかっと腰をかけ、右足は一里程南東にある名取の高館山(名取市)の麓の吉田部落の田圃の中におろし、左足は海岸に近い部落におろして、海から魚や貝を取って食べていた。食べた時の貝殻は茂庭の岩の川に捨てたので今でも貝塚のような厚い層になっている。
 時々、大男は大きな足で麓の村におりてくるが、首は雲の上に突き出しているので、村人たちには顔が見えない。ただ太い二本の柱がノッシノッシと歩いてくるのを見るだけだったという。
 この大男、それでも性格は優しく、麓の村人が田畑の仕事で忙しい時には、村におりてきてよく手伝いをしてくれたそうだ。太白山の南東を流れている洗沢は、大男が汚れた手足を洗ったところだと語り伝えられている。
 名取の吉田部落には、大男の右足の跡だという長さ三尺程の足跡のついた石が田圃の中に残っている。

   


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