情報提供: ディスカバーたいはく4号
 所在地: 仙台市太白区向山
 連絡先: 太白区まちづくり推進協議会
 関連ホームページ: http://www.city.sendai.jp/taihaku/mati/discover/index.html

190 誓願寺渡し

誓願寺跡に建てられた妙見堂
誓願寺跡に建てられた妙見堂

 むかし、川を渡る地点を渡戸(わたど)といった。
 広瀬川には渡戸が七ケ所あり、板橋や船渡しが行われていたが、その渡し貸は、藩政時代で片道三文、明治三十年では一銭だった。渡戸の一つ「誓願寺渡し」は、向山から土樋にでる渡しで現在の愛宕橋あたりである。

 誓願寺とは、愛宕神社の別当で、それ以前には、政宗が父輝宗の碑寺として建立した覚範寺が建っていた。
 ところが、一六〇二年、仙台城下建設の最中に、茂庭綱元屋敷前の堀普請に使役された小人組と、普請総奉行の金森隠岐・勘平父子との間に争いがおき、小人組はこの覚範寺に逃げこんだものの、追っ手に包囲された百三十余名は残らず殺され、寺も炎上してしまった。
 その後、血で汚された覚範寺は北山に移され、誓願寺が建てられたが、明治の初め廃寺になった。

 現在、その誓願寺跡には、江戸末期に閖上で魚網にかかった妙見さんをまつった妙見堂が建っている。

   


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