情報提供: ディスカバーたいはく4号
 所在地: 仙台市太白区向山
 連絡先: 太白区まちづくり推進協議会
 関連ホームページ: http://www.city.sendai.jp/taihaku/mati/discover/index.html

188 左吾平と団子

 むかし、三尺左吾平という居合抜きの名人がいた。背が一メートルちょっとという小男ながら、仙台藩の名物剣士でその武勇伝は山ほどあるが、たとえば、
弟子の額にろうそくを鉢巻きでゆわえさせ、
「エイヤッ!」
とひと声
目にもとまらぬ早わざで、ローソクはまっ二つ
しかも火は消えず、額にはかすりキズ一つなし、
という。

 そんな左吾平がある日、愛宕神社に月参りにでかけた。
 お参りをすませ、茶屋によって好物の団子を食べていると団子屋の親爺がこんなことを申し込んできた。
「左吾平さんの日本一の居合と日本一の団子づくりのおれと勝負すんのはどうか。左吾平さんが刀を抜いて鞘に納めるまでの間にこのへらでアンコを少しでも刀につけることができたらおれの勝ちだ」
左吾平は
「承知」
と身構えた。

 「エイヤッ!」
 と気合いがひびいたかと思うと、パチンと鍔なりの音、ゆうゆうと刀をぬいて、左吾平のたまげてしまったのなんのって。刀にはべったりとアンコがついているではないか。
 いやはや、これは、左吾平一世一代の負け勝負であった。

   


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