情報提供: ディスカバーたいはく4号
 所在地: 仙台市太白区根岸町
 連絡先: 太白区まちづくり推進協議会
 関連ホームページ: http://www.city.sendai.jp/taihaku/mati/discover/index.html

160 鏡ケ池

 むかし、兜塚の近くに「鏡ケ池」と呼ばれる小さな池があった。
 坂上田村麻呂が征夷大将軍としてみちのくに戦いにきた際、利府の菅谷(すがや)に滞在し、九門長者の堊玉姫(あくだまひめ)と出会い愛するようになった。
 堊玉姫はもともと紀伊の国のお姫さまで、さらわれてこの地に売られてきたといわれ、以来、自分の身を守るために守り神に祈って、普通の人にはみにくい女に見え、身分の高い人にはもとの美しいお姫さまの姿に見えるようにしたので堊玉姫と呼ばれていた。
 いくさを終えた田村麻呂がいよいよ都に帰るという時、姫は身ごもっていた。田村麻呂は、姫にじょうぶな子を生むようにと白羽の鏑矢(かぶらや)と短刀、そして観音像を与え、都へと旅立っていった。

 姫は男の子を産み、千熊丸と名づけた。千熊丸が十三歳のとき、父の田村麻呂に対面するため、堊玉姫と千熊丸は都へと向かった。
 途中、兜塚の近くにきて観音堂の桜の木の下でひと休みし、堊玉姫はそのかたわらの小さな池に顔を映して化粧をした。
 それからというもの、ひとびとはこの池を鏡ケ池と呼ぶようになったそうだ。

   


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