情報提供: ディスカバーたいはく5号
 所在地: 仙台市太白区長町
 連絡先: 太白区まちづくり推進協議会
 関連ホームページ: http://www.city.sendai.jp/taihaku/mati/discover/index.html

140 常盤紺形(染色法)

さまざまな常盤紺形(仙台市博物館提供)
さまざまな常盤紺形(仙台市博物館提供)

さまざまな常盤紺形(仙台市博物館提供)
さまざまな常盤紺形(仙台市博物館提供)



さまざまな常盤紺形(仙台市博物館提供)
さまざまな常盤紺形
(仙台市博物館提供)



 常盤紺形は、明治二十年代から大正末期にかけて、最上染工場によって長町に根づかされた木綿染(型紙を用いた模様)のことである。
 これは、秋田県横手の最上忠右衛門が創案したものである。明治二十三年(一八九〇)忠右衛門の子・徳治は、原料の藍が豊富で水質にも恵まれている名取郡長町字町東に移り約四千坪の最上染工場を設立したが、原料の白土を秋田県から取り寄せることは甚だ不便であった。そこで、県内各地を捜して刈田郡白川村の青木山で穀物糊の代用になる白土を発見、また蕨粉糊に代る生麩糊を用いるという改良を加えたり、藍から化学染料に変えるなど様々な改良を行った。
 その染色法は、仙台に移った頃、『色沢鮮麗且堅牢』なところから「常盤」の語を冠した名称が使われ、一躍仙台地方の特産品になっている。しかも地質が丈夫で意匠が郷土色に富んでいたため人々に広く愛用された。最上染工場の最盛期には堤焼の藍甕を百数十本置いて一日百反を生産し、岩手、福島両県まで販路にしていたという。

 現在、仙台市博物館に最上染工場製の常磐紺形の着尺染見本と多くの型紙が収蔵されている。

   


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