情報提供: ディスカバーたいはく5号
 所在地: 仙台市青葉区片平2丁目1−1
 連絡先: 太白区まちづくり推進協議会
 関連ホームページ: http://www.city.sendai.jp/taihaku/mati/discover/index.html

136 東北金属、東北特殊鋼 本多光太郎

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本多光太郎(「東北特殊鋼五十年史」より)
本多光太郎(「東北特殊鋼五十年史」より)

東北大学金属材料研究所前の本多光太郎胸像(「東北特殊鋼五十年史」より)
東北大学金属材料研究所前の本多光太郎胸像
(「東北特殊鋼五十年史」より)

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 仙台の第二副都心・長町を語るとき、東北金属工業(株)や東北特殊鋼(株)などを中心とした「工業地帯」という性格を抜きにすることはできません。そして、これらの企業の創業に大きな影響を与えているのが、東北大学名誉教授・仙台市名誉市民の本多光太郎博士です。

 東北金属工業(株)は昭和十三年(一九三八)九月、日本特殊金属(株)と東北金属工業(株)を吸収合併して誕生。本多光太郎博士発明のKS磁石鋼、岡村俊彦博士発明のマンガンー亜鉛フェライト、増本量博士発明のセンダスト(高透磁率合金)の企業化をはじめ、磁性材料の分野で数多くの素材や技術を開発して成長してきました。昭和十四年の工場竣工式では当時東北帝国大学総長であった本多光太郎博士が祝辞を述べています。
 東北特殊鋼(株)は、本多光太郎博士の提言を受け、昭和十二年(一九三七)四月に創立総会を開き、長町字東浦北に創立。十一月に鍛造工場が竣工し、創業しました。東北特殊鋼五十年史は、創立者の回想録を引用して博士の提言趣旨を次のように伝えています。

 これまで多くの発明や特許を得たものを大阪、東京方面の事業家の要望に応じて指導したが、何分遠隔地でもあり、大学の研究に基づく方法がそれ等の工場で工業化される場合直ぐに満足な結果を得られるものではない。幾度かの質疑応答では解決が出来ず、出張指導の申入れもあるが、大学という立場として随時出向くことは許されず、常に隔靴掻痒の感があります。若し、貴社が企図する特殊鋼工場を当地に設けられるならば、大学は全面的に指導が出来、金研は単なる実験室的な研究から−歩進んだ実地研究が可能となり、旧来の不便が解消され、貴社、大学相互のためはもとより、斯界のために貢献するところ洵に大であると考える。

   


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