情報提供: ディスカバーたいはく4号 | ![]() |
所在地: 仙台市太白区長町 | |
連絡先: 太白区まちづくり推進協議会 | 電話: 022-247-1111 |
関連ホームページ: http://www.city.sendai.jp/taihaku/mati/discover/index.html |
134 ふしぎな大名行列 |
むかし、ご城下に、とってもきれい好きなおばあさんがひとりで暮らしていた。 朝そうじをし、炉をきれいにして灰をならすのが毎朝のしごとだった。いつのころからか、炉においてある火消し壺のふたをとると、その中からふしぎな大名行列がゾロゾロとでてくるようになった。 大名行列は 「したーに、したーに」 といいながら、炉の中をひとまわりし、壺のところにもどってくると、かならず、ひとりの侍が 「かきならす 灰は浜辺の 潮に似て」 と歌の上の句だけ読んで、少ししてからペロ ペロ ペロ ペロッと火消し壺の中にはいっていった。 そんなことが毎朝つづいたある日、近くの物知りじいさまにその話をしてみた。すると、 「その侍は、あんたのご先祖かもしれない。歌の下の句をつけてあげたらいいんでは」 という。さらに 「どんな下の句をつけたらいいのか」 と聞くと、じいさまはしばらく考えてから 「波かと聞けば 松風の音」 という下の句をつくり、教えてくれた。 次の日の朝、おばあさんが火消し壺のふたをとると、ふしぎな大名行列はいつものようにでてきて、炉の中をひとまわり。 いよいよ、火消し壺にはいろうとする前、また、あの侍が 「かきならす 灰は浜辺の 潮に似て」 と上の句を読んだので、おばあさんは侍の顔を見ながら 「波かと聞けば 松風の音」 と下の句をつけてあげた。 すると、侍はまんぞくそうにうなずいて、火消し壺の中にはいっていった。 そして、次の日からふしぎな大名行列はでなくなったそうだ。 |
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