情報提供: ディスカバーたいはく3号
 所在地: 仙台市太白区長町
 連絡先: 太白区まちづくり推進協議会
 関連ホームページ: http://www.city.sendai.jp/taihaku/mati/discover/index.html

128 永町橋と橋姫明神

橋姫明神と永町橋の礎石
橋姫明神と永町橋の礎石

 昔、長町と河原町を結ぶ橋を架けることになった。ところが、長雨続きで広瀬川は氾濫し橋を架けることが出来なかった。誰いうとなく
「これは水神様のお怒りに違いない。心信深い娘を人柱にしないと橋は出来ない」
という噂が人々の口に出るようになった。こんな時
「私が人柱になります」
と百代の里の長者のひとり娘「愛姫」が名乗り出た。
みんなは
「ありがたや、ありがたや」
と手を合わせて拝むと、信心深い愛姫は
「断食して根岸観音(十八夜観音)にお籠もりします。四、五日したら雨は止むでしょう。急いで橋のたもとに穴を掘って、丑三つ時に私を埋めてください」
と静かな声でいい、しっかりとした足どりで帰って行った。

 それから数日後に雨は止んだ。愛姫は優しい笑みを浮かべ生きたまま埋められた。穴からの愛姫の祈りの声は明け方になって消えた。すると、川の水に光が射し広瀬川の水が黄金の竜になって天に昇ったという。
 その後、川水が引いてよい天気が続き無事に永町橋が架けられた。

 人柱になった愛姫は、橋姫として橋及び土木の神として信仰されていた。特に長町の木場人夫や馬方の信仰が篤く、長旅に出る人にもよく拝まれていたそうだ。
 現在、広瀬橋のたもとに橋姫を祀る祠と橋供養碑、傍らに永町橋の礎石が保存されている。

   


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