情報提供: ディスカバーたいはく4号
 所在地: 仙台市太白区中田
 連絡先: 太白区まちづくり推進協議会
 関連ホームページ: http://www.city.sendai.jp/taihaku/mati/discover/index.html

125 伊達の六尺大根

 むかし、伊達の殿さまが江戸にいたときの話。
 江戸城の控えの間で、あちこちの殿さまが集まってお国自慢をはじめた。
 島津の殿は桜島大根を、前田の殿は備前備中蕪(かぶら)を、そしたら、伊達の殿さまも、ついぽろり
「わしの国の仙台には、※六尺の大根がある」
といったものだから、ほかの殿さまたちはびっくり。
「一度みたいものだ」
となってしまった。殿さまは内心こまったものの、こう約束した。
「よかろう、つぎの登城のおりにお目にかけよう」

 さて、藩邸にもどると、さっそく家来にその話を聞かせた。が、そんな長い大根あるわけがない。
 それでも、殿さま、びっくりしている家来にむかって
「国元にいって、いそぎ六尺の大根をさがして参れ」
といいつけた。

 家来が、仙台の中田まで来ると大根畑があって、ちょうど、大根を抜いているところだった。大根はどれも頭からしっぽまでの太さが同じくらい。それを見て、家来は、ひざをピシャリ!
 太さのそっくりな大根をたくさん集めさせ、頭としっぽを切り、つぎつぎにくっつけ、それから、大根の真ん中に、竹をさし、しっぽをつけ、頭には葉っぱをつけ、仕上げに、つぎ目が見えないようにと土をぬりつけた。

 さあて、お殿さま、家来がかついできた大根をもって、鼻高々と江戸城へ。ほかの殿さまたちは、その大根を遠くからながめ
「さすが、伊達殿。六尺の大根おみごとでござる」
とほめること、しきり。

 それからというもの、仙台の大根が有名になったそうだ

※六尺は一.八メートル

   


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