情報提供: ディスカバーたいはく4号 | ![]() |
所在地: 仙台市太白区中田 | |
連絡先: 太白区まちづくり推進協議会 | 電話: 022-247-1111 |
関連ホームページ: http://www.city.sendai.jp/taihaku/mati/discover/index.html |
124 大豆の長者 |
むかし、ある村にかばねやみ(なまけもの)の若者がいた。 何とかして村一番の長者になりたいと思い、そのことを両親にもはなし、あきれ返らせていた。 それでも長者になりたいと、若者は鎮守さまに願をかけた。満願の夜、夢まくらに神さまがあらわれて 「若者よ、お前の長者になりたいという願いを聞きとどけよう。それには諸国をまわって四十八種類の豆をさがしてくるがよい」 と告げた。 次の朝、若者は両親に神さまのお告げをはなし、豆をさがす旅にでた。 わらじをはいて、町から村へ―、村から町へ、あっというまに三年の月日が経ってしまった。が、手に入れた豆の種類は四十六種類、どうしてもあとのふたつを見つけることはできなかった。 若者は長者になることをあきらめ、力なく家に帰り、四十六種類の豆を鎮守さまにお供えした。両親はたくましくなって無事に帰ってきた息子のことを喜んだ。 その晩、あの神様があらわれ、 「三年の間、よくぞ四十六種類の豆を探してくれた。明日、わらじをはいて歩いたそなたの足を見よ。それが四十七番目の豆なのじゃ。それから四十六種類の豆の中には、味噌やしょう油をつくる大切な大豆もあるから、畑にたくさん植えて育てるがよい」 と、告げた。 朝起きて若者が足を見ると豆だらけ、それが四十七番目の豆だったのだ。 あの、かばねやみの若者は、見違えるようになり、畑に大豆の種をまいたり、農作業に精をだしたりして働くようになった。 秋になり、大豆は大豊作、その晩、ふたたび神さまがあらわれ、こう告げた。 「そなたは四十八番目の豆を見つけることができた。その豆というのは、くわを持った手にできた豆じゃ。これからも働くことを忘れるじゃないぞ」 それからの若者は、神さまのお告げを守って田畑や山仕事に精をだした。年老いた父親や母親をいたわり、いい嫁さんももらって仲良く暮らした。 そうして、いつのまにやら、村人たちから情け深い「大豆の長者さま」と慕われるようになっていたそうだ。 |
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