情報提供: ディスカバーたいはく4号
 所在地: 仙台市太白区中田
 連絡先: 太白区まちづくり推進協議会
 関連ホームページ: http://www.city.sendai.jp/taihaku/mati/discover/index.html

123 釜神さん

 むかし、正直で心のやさしいおじいさんが山の柴刈りの帰り、洞穴を見つけた。
 おじいさんは、洞穴に悪者が住みついてはいけないと、穴に柴でふたをしようとしたが、いくらつめても柴が穴にスイスイと引きこまれていった。
 はてなと、中をのぞくと、なんと若い娘が立っていて
「おじいさま、柴をたくさんありがとう。お礼にこの子をさしあげます。名前はヒョウトクといいます」
というものだから、おじいさんはびっくり。
 見ると、目玉がギョロッとして口がひんまがった男の子で、おじいさんは狐につままれたような気分で男の子を家に連れて帰った。

 家に着くと、ヒョウトクは炉ばたの横であぐらをかきながらヘソばかりいじっている。あまりいじるので、気になったおじいさんは
「ヒョウトクや、ヘソをいじるのはやめろや」
といって火箸でその手をのけようとしたひょうしに、ヘソをつついてしまった。
 そうしたら、なんとヘソからコロッと黄金の粒がでてきたから、また驚いてしまった。

 しかし、心やさしいおじいさんは、もうヘソをつつこうとはしなかった。
 が、おじいさんが留守のとき、欲たかりのばあさんがヒョウトクのへソを何度も何度もつついたからたまらない。ヒョウトクはとうとう死んでしまった。
 帰ってきたおじいさんは泣く泣くヒョウトクのなきがらを裏山にほうむった。

 その晩のこと、ヒョウトクがおじいさんの夢枕に立って、
「じいさま、じいさま、悲しむことねぇ。このヒョウトクの顔をお面にほって柱にかけておけばいっしょう幸せになる」
と告げた。
 おじいさんは次の日、さっそくお面をほって土間の太い柱にかけ、それからは、幸せに暮らしたそうだ。

 それが、おっかない顔をして家を守ってくれる福の神・釜神さんとなり、ヒョウトクはヒョットコでヒオトコ(火男)となった。

   


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