情報提供: ディスカバーたいはく3号 | ![]() |
所在地: 仙台市太白区坪沼 | |
連絡先: 太白区まちづくり推進協議会 | 電話: 022-247-1111 |
関連ホームページ: http://www.city.sendai.jp/taihaku/mati/discover/index.html |
105 大仏堂の大蛇 |
昔、坪沼から赤石に通じる山道に大仏堂の伽藍があったそうだ。大仏堂の境内に一丈余りの樅(もみ)の大木があって幹は空ろでその中に大蛇が棲んでいた。 ある夏の日に一人の旅人が大仏様にお参りして、樅の大木の下で自然石に刻まれた石仏を眺めていた。 その時、天が俄にかき曇り生臭い風が吹いて、空ろの中から臼大の大蛇が焔(ほのお)のような舌を出し、今にも旅人をひと呑みにする勢いだった。旅人が進退きわまった瞬間、稲妻が走り激しい雷が鳴り響いた。旅人はあまりの恐ろしさに悲鳴を上げながらその場に倒れてしまった。 しばらくして目が覚めふと吾に返ると、「ああ俺は助かった。大仏さんが救けてくれたんだ」と、大仏様に三拝九拝して外を見ると、辺りは真っ暗で大蛇のいたところが天にも届くように何十丈もの高さに炎があがっていた。 こうして焼けること七日七晩、焼け跡を見ると大蛇の骨が横たわっていたという。 |
|
前の項目へ | 次の項目へ |