情報提供: ディスカバーたいはく3・4号
 所在地: 仙台市太白区四郎丸字落合60
 連絡先: 太白区まちづくり推進協議会
 関連ホームページ: http://www.city.sendai.jp/taihaku/mati/discover/index.html

96 落合観音堂

県指定の文化財。慈覚大師の作といわれる十一面観音像が伝わる
県指定の文化財。
慈覚大師の作といわれる十一面観音像が伝わる

落合観音堂
 名取川近くに、茅葺きで入母屋づくりの簡素な落合観音堂がある。安置されているご本尊の観音さまは、慈覚大師が一本の木から三体の観音さまを作ったその一体で、中木観音(十一面観音)とも呼ばれ、むかしは袋原にあったと伝えられる。
 伊達政宗公が袋原で鷹狩りをした際に願いごとをし、それがかなえられたことから、翌年、郡山にあった毘沙門堂を解体し広瀬川を流して落合まで運び、現在の堂宇を建て、袋原の観音をここに移して落合観音堂と改めたそうだ。



蟹の絵馬
 昔、落合観音堂のそばを流れる名取川が洪水のため氾濫し、観音堂も浸水して安置されている十一面観音像があわや沖に流されようとした時、名取川に棲む無数の蟹が観音像を守り流されるのを防いだ。
 それ以来、村の人々は蟹を食べず、絵馬に蟹を描いて奉納するようになったという。


中村景貞乗馬図絵馬
 堂内には仙台藩の中村日向影貞が奉納したという馬上姿の絵馬がある。
 ある日、日向が馬に乗って閖上海岸を散歩中、落雷をともなう大雨に遭遇した。その時、馬の蹄に落雷したため馬が驚いて日向は落馬したがどこにも怪我をしなかった。これは日向が日ごろ観音様を信仰したおかげと絵師に描かせたものである。


名取川の三観音
 昔、慈覚大師が六郷の日辺で一本の木から三体の観世音を作り、本木の一体は日辺の両善寺(本木観音・第二十六番観音)、中木の一体は四郎丸落合(中木観音・第三十一番観音)、末木の一体は根岸の百代の里(末木観音・第三十二番観音)に安置したと伝えられている名取の三観音である。

   


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