情報提供: ディスカバーたいはく5号
 所在地: 仙台市太白区秋保町
 連絡先: 太白区まちづくり推進協議会
 関連ホームページ: http://www.city.sendai.jp/taihaku/mati/discover/index.html

75 秋保石(川ふくべ・凝灰石)

 自然風化が穏やかな上、耐火、耐湿性のある秋保石は、大正から昭和の始めにかけて建築にもちいられ重宝がられた。秋保町史によると「大正中期のピーク時には廉価・耐久性という特質から注文が殺到しこれに応じきれないほどの活況を呈した」と記されている。秋保電鉄(当時は秋保軌道)は、そうした秋保石の採掘から販売まで一手に引き受けていた。
 秋保石の大正九年(一九二〇)上半期八万一千才(さい=石材の単位では一才は一石の十分の一)だった生出量は、昭和三年(一九二八)上半期には半分以下の三万六千才に、会社の総収入を占める割合も七十%から三十%に低下する。
 昭和九年(一九三四)頃にはコンクリートの出現に押され最盛期は過ぎていた。また、大正年間に三百人前後の石職エが働いていたが、昭和九年(一九三四)には五十人ぐらいになっている。秋保石の採掘は四キロもあるツルハシを常時振り回し石山を削るという一日八時間の重労働であった。採掘された秋保石は、秋保電鉄で長町駅まで、五トン積みの貨車に四トンぐらい積み込んで運ばれていた。

 現在、秋保石は造園関係の敷石や家の外柵などに用いられている。

   


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