情報提供: ディスカバーたいはく5号 | ![]() |
所在地: 仙台市太白区秋保町 | |
連絡先: 太白区まちづくり推進協議会 | 電話: 022-247-1111 |
関連ホームページ: http://www.city.sendai.jp/taihaku/mati/discover/index.html |
73 秋保と古山高麗雄 |
『プレオー8の夜明け』で芥川賞を受賞した古山高麗雄(福岡県生まれ。一九二三〜二〇〇二)は、父が七ケ宿村渡瀬出身であり、軍隊時代を仙台の榴ケ岡で過ごした作家です。 『七ケ宿村』と『思うだけ』という小品(『セミの追憶』所収)の中で、秋保温泉について触れています。 「私は、別に温泉に行きたいとは思っていないのよ。でも、あなたは温泉に行きたいんでしょ。だったら秋保がいいわ、七ケ宿から近いし」 そろそろ、また七ケ宿村に行ってみたいと私は言っていた。それで、では今度の正月は東北にしようということになったのだった。 「では、仙台と七ケ宿と秋保でいつものように、一応、三泊四日ということにしよう」 私が地図を見ながら、アキホと言うと、 「アキホじゃないのよ、アキウっていうのよ」と妻に直された。(『七ケ宿村』より) 父が生れた渡瀬は湖底になったが、横川はダムの外にあって遺っている。そういう土地だから、渡瀬も、京都や仙台と共に、行けば思うことが多い。 先年、仙台、秋保温泉、七ケ宿に行ったときには、秋保で華麗な雪景色に接した。 「あの雪をもう一度見たいと思っても、いつもというわけにはいかないよ」 「そんなことわかっているわよ」と言いながら、妻は秋保の雪を期待していた。(『思うだけ』より) |
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