情報提供: ディスカバーたいはく4号 | ![]() |
所在地: 仙台市太白区秋保町 | |
連絡先: 太白区まちづくり推進協議会 | 電話: 022-247-1111 |
関連ホームページ: http://www.city.sendai.jp/taihaku/mati/discover/index.html |
51 清四郎淵 |
むかし、境野の部落に清四郎という働き者の婿がいた。 秋保の里にもうすぐ雪が降るというころ、清四郎は切り立った淵の岩場に足をかけ、薪伐りをしていた。ほんの一瞬のこと、清四郎は足を滑らせズルズルと・・・、が、あわやのところで木にしがみつき、助かることができた。 しかし、大変なことに、だいじな鉈(なた)を落としてしまっているではないか。 「ああ、俺は婿だ。明日使う鉈がなくては家になど帰れない・・・」 思いきって、清四郎は鉈を探すために淵へ向かってざぶん。吸い込まれるように潜っていくと、なんと、淵底に鉈を抱いた美しい女の姿が・・・。おどろいた清四郎は夢中になって、水面に上がろうとしたところ 「待って、もう一度潜ってくれば鉈を返してあげる」 と、女の声。 清四郎はふたたび潜って淵底へ。ところが、いざ淵底にたどりついてみると、女の姿は鉈とともにかきけすように消えた。そして淵底からは突然、ぬるぬるした泥が気味悪く沸き上がり、みるみるうちに、清四郎の自由をうばい、とうとう、清四郎は帰らぬ人となってしまった。 この淵は、むかしからウナギの主が住んでいたといわれたところで、その後、村人はこの淵を「清四郎淵」と呼んでいたそうだ。 |
|
前の項目へ | 次の項目へ |